映画な日々【地下鉄(メトロ)に乗って】

帰りたい過去はありますか?私はいっぱいありますが。

父(大沢たかお)に反発して家を出た真次(堤真一)。地下鉄の通路で亡き兄の姿を見た気がして追いかた先は昭和39年の東京だった。自分が生まれる前の父、戦後の荒野を生きる姿だったり、出征していく姿だったり、自分の知らない父に出会い、次第に心を開いてゆく。一方真次と不倫関係にあるみち子(岡本綾)には秘密があった・・・

父とは仲が良いですか?うちは・・・どうでしょう、父は単身赴任で家にいないことの方が多かったし、悪い人ではないのですが、あまり馴染めない人です。小さい頃はキャッチボールしたり、遊んでもらったのですがね。別にけんか別れとかしていですけど。でも父の「父親」以外の面って意外に知らないかも。

一つは真次と父・佐吉の父子の物語。父との和解が、実際2人がわかり合うのじゃなくて、父の苦労・苦悩を理解し許すという形が泣けます。一つは真次とみち子の物語。人を愛することの苦悩、過酷な現実(知られざる過去)、許されない関係、愛するいうこと。

泣くもんかと思いつつ、涙がさそわれる、でも優しい映画でした。

http://www.metro-movie.jp/

(06-10-29 MOVIX京都 シアター4)

日記【お引っ越し】


mixi日記からBloggerにお引っ越し。
特に深い意味はないんですが、何となくやってみただけ。

今日は寒い日でした。冷たい雨が降ったりやんだり、心なしか冬の空気が混ざっていた気がする。11月に入っても暖かい日が続いていましたが、ここ数日で急に季節が進んだ感じ。朝夕の冷え込みが厳しい程紅葉は美しく染まるとか。今年の紅葉がキレイだといいなと思う。

引っ越しと言えば、来年引っ越します。静岡のどっかに。約束だから、これを「年貢のおさめ時」というのだろうか。将来の不安、いろんな意味で、あります、ええ。どうしたものかね。

映画な日々【フラガール】

変わる勇気、変わらない勇気。

炭坑が次々と閉鎖されていった昭和40年、人員整理が始まった常磐炭鉱で新産業=ハワイアンセンターを起こす実話ベースのサクセスストーリー。変わりたい炭坑人、変われない炭坑人、否応なく押し寄せる時代の波。センターの目玉、フラアダンスも悪戦苦闘。東京から流れてきた先生(松雪泰子)は飲んだくれ、生徒たち(蒼井優・しずちゃん他)は素人ばかり。前途多難な世話役(岸部一徳)も悪戦苦闘のなか・・・。

東北の田舎にハワイって。石炭から石油にエネルギーの中心は移り、炭坑は閉鎖されていく。変わらなきゃ/変われない、そんな炭坑人のジレンマと変わる人間の代表的なハワイアンセンター。東北弁がしみます。一波乱あって先生が去ろうとする際に岸部一徳が投げかける「あんた良い女になったな」(というような言葉)がこの映画のすべてです。元々バレエの素養がある蒼井優の存在感もすごい。

サクセスストーリーと言ってしまえばそれまでですが、東北弁という舞台装置とフラダンスの魔法が後味の良い爽快感を与えてくれます。単純に楽しいのです。

http://www.hula-girl.jp/

(06-10-01 MOVIX京都 7シアター)

映画な日々【父親たちの星条旗】

英雄の悲劇とは。

太平洋戦争の激戦地硫黄島で英雄にされた米軍兵のその後の話。硫黄島上陸戦で星条旗を打ち立てている写真に写ったことで、戦地から呼び戻され、戦時国債の購買キャンペーンに利用された兵士たち。実はこの写真の風景は最初に旗を打ち立てた時のものではなく、戦闘もこの後1ヶ月に渡り泥沼化、しかも写っている兵士に人違いがあった。そして6人中3人は戦死。本人たちの意思と関わりなく英雄に祭り上げられるジレンマ、戦友への思い、いろんな思いが交差するなかで繰り返されるキャンペーン活動。疲弊していく「英雄」たち。そしてその後の人生の苦悩。

戦争末期には英雄ともてはやされても、戦争が終われば忘れられていく。軍の指揮官から大統領になった人もいれば、末端では使い捨てられていく人がいる。戦争の是非とか、正義とかではなく、戦争が人を翻弄し、苦悩する姿を描いたヒューマンドラマ。

クリント・イーストウッド監督、スティーブン・スピルバーグ製作。2部作で第2弾「硫黄島からの手紙」は主演渡辺謙の日本兵を描いた作品(06年12月公開)。こちらとセットで真価を問われるのでしょう。それにしても、今もイラクに展開する米兵とその家族は、どんな思いでこの映画を見るのでしょうか。

http://wwws.warnerbros.co.jp/iwojima-movies/

(06-11-03 TOHOシネマズ二条 7スクリーン)

映画な日々【ただ、君を愛してる】

もう一つの「恋愛冩真」、前作といっしょにどうぞ。

写真好きの誠人(玉木宏)が大学の入学式の朝出会った静流(宮崎あおい)とのラブストーリー。03年の「恋愛冩真」のアナザーストーリーという位置づけらしい。基本的な筋書きとして、「写真好きな男子とどこかミステリアスな女子が出会って、恋して、女子が写真の才能を開花するんだけど夭折する」って言うのは共通ライン。「恋愛冩真」と「ただ、君を愛してる」のどっちが良かったとか比較はしません。が、「恋愛冩真」は最後NYに行くあたりからちょっと無理矢理な感があったので・・・。

白雪姫とかのおとぎ話ではないのですが、王子様とお姫様が結ばれてハッピーエンド。っていうわけ行かない訳で、実際には結婚生活もいろいろ大変です、たぶん。そこ行くと、ヒロインが夭折してしまうと2人の物語はそこでTHE ENDなわけですから美しい思い出のまま終わるという舞台装置。ずるいって言えばずるいんですが、日本人には結構好きなシチュエーションですよね。

まあしかし、「虹の女神 rainbow song」もそうなのです、鈍感君がなぜ、ここまでもてるのかと激しく問いつめたいね(笑)。ちょっと出来過ぎ。まあ玉木宏がダメ男くんってのも何ですが、上手く演じていました。オダギリジョー程芸達者じゃないのは今後に期待ということで。

http://www.aishiteru.jp/

(06-11-04 TOHOシネマズ二条 8スクリーン)

映画な日々【虹の女神 Rainbow Song】

こんな青春なかったけど、何となくわかる甘酸っぱさ。

人の気持ちに鈍感で影響されやすい、ちょっとダメ男くんな智也(市原隼人)と映画監督を目指すあおい(上野樹里)の恋の物語・・・なんですが、いきなりあおいの事故死から始まるという結果のわかっているストーリー展開。いや、ほんと、見てる方が恥ずかしいくらい甘酸っぱい。好きなのに好きと言えないあおいと、全くそれに気がつかない智也。もう後ろからハリセンでどつきたいくらいのもどかしさが、二十歳前後の若さと言うか青さを目一杯際立たせます。

自分も10年くらい前はあんなだったかもと昔を思いつつ、なんとなく共感できてしまうノスタルジー。大学生の頃は時間だけは持て余すほどあって、かといって明確な目標も夢もなくて、漠然とその一瞬だけを生きていた。それがどれほど贅沢なことだったのかは、後になってからしかわからないのでしょうが。

あぁ大学生に戻りてーと思いつつ、かなわぬ夢はおいといても、今をしっかり生きなきゃいかんなと思いました。

http://www.rainbowsong.jp/

(06-11-04 TOHOシネマズ二条 4スクリーン)

映画な日々【花田少年史 幽霊と秘密のトンネル】

期待よりは面白かった。子ども向けと言えばそうですが、大人が見ても楽しめます。なので家族向けかな。

わんぱく少年の花田一路(須賀健太)が出会い頭の事故で死にかける。それをきっかけに幽霊が見えるようになったことで巻き起こる事件、両親の過去、親友の父の死の真相などをくぐり抜け成長していくというお話。香取聖子(安藤希)演じる幽霊が泣けます。家族のきずな、大人の不可解さ、耐えること、無邪気な娯楽の中にいろんな要素が山盛りです。

安っぽいCGや特撮はいらないかな。特に最後の幽霊同士の対決はいささか興醒め。

http://www.hanada-shonen.com/

(06-09-09 MOVIX京都)

映画な日々【シュガー&スパイス 〜風味絶佳〜】

現代っぽい若者の何となくなラブストーリー・・・な映画。甘くて切ないけど、本当の恋かは別な気がする。

現実味のない「ガースステーション」とかはご愛嬌として、見てる方が恥ずかしいくらいの「若い」って言う感じがよかったです。

切ないっていう気持ちも悪くはないと思うのは、私が年をとったからでしょうか。顔を見たくないもないほど嫌いになれる程の恋愛、今でもちょっと憧れます。

http://www.sugarandspice.jp/

(06-09-16 TOHOシネマズ二条 6スクリーン)