映画な日々【父親たちの星条旗】

英雄の悲劇とは。

太平洋戦争の激戦地硫黄島で英雄にされた米軍兵のその後の話。硫黄島上陸戦で星条旗を打ち立てている写真に写ったことで、戦地から呼び戻され、戦時国債の購買キャンペーンに利用された兵士たち。実はこの写真の風景は最初に旗を打ち立てた時のものではなく、戦闘もこの後1ヶ月に渡り泥沼化、しかも写っている兵士に人違いがあった。そして6人中3人は戦死。本人たちの意思と関わりなく英雄に祭り上げられるジレンマ、戦友への思い、いろんな思いが交差するなかで繰り返されるキャンペーン活動。疲弊していく「英雄」たち。そしてその後の人生の苦悩。

戦争末期には英雄ともてはやされても、戦争が終われば忘れられていく。軍の指揮官から大統領になった人もいれば、末端では使い捨てられていく人がいる。戦争の是非とか、正義とかではなく、戦争が人を翻弄し、苦悩する姿を描いたヒューマンドラマ。

クリント・イーストウッド監督、スティーブン・スピルバーグ製作。2部作で第2弾「硫黄島からの手紙」は主演渡辺謙の日本兵を描いた作品(06年12月公開)。こちらとセットで真価を問われるのでしょう。それにしても、今もイラクに展開する米兵とその家族は、どんな思いでこの映画を見るのでしょうか。

http://wwws.warnerbros.co.jp/iwojima-movies/

(06-11-03 TOHOシネマズ二条 7スクリーン)

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