読書な日々【情報編集の技術】

「いまも変わらぬ編集のかんどころ」っていう第3章のタイトルに負けました。

著者の朝日新聞の記者時代から、編集長として携わった雑誌時代を回顧しつつ、編集の役どころや醍醐味が語られる著作。ネット時代の誰もが情報発信者となる時代の「編集」が主題。初版が2002年なので、ネットに関する言及に関してはちょっと古い部分もありますが、「編集のかんどろ」に関しては些かも古くなっていないと思われます。

第1部「みんなが編集者になる時代」では、編集によって記事はいかようにも変わることが、新聞記者時代の例を挙げながら語られます。些細な三面記事も編集次第で一面記事に匹敵する記事になるって凄くないですか。
第3部「いまも変わらぬ編集のかんどころ」では、タイトルのつけかた、中見出しの入れ方、インタビューの編集など、普遍的な編集技術が見どころです。

誰もが表現者になる時代に、読ませる文章を書く技術は、ますます重要になるのでしょう。そこに気付ける人と気付けない人、小さいようで大きい差が生まれるんでしょうね。とかくSEO対策だとか、技術論的なアプローチであふれ返るネットの世界では。

「情報編集の技術」矢野直明著/岩波アクティブ新書(2002.5.7初版)

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