【映画】プール

ほのぼのというか、何も起こらないいつもの映画(良い意味でですよ)。

「カモメ食堂」「めがね」に続くシリーズと言えばわかりやすいかと思います。ストーリーらしいしストーリーのない、淡々と日常が流れていく映画です。当然事件らしい事件も起こりません、起承転結もあるようなないような。しかも「淡々と日常が流れていく」日常ってのがありそうでありえない日常なのがポイント。

自由に生きる母とそれに納得がいかない娘の葛藤と和解。それもしたようなしていないような。生きるってこんなことだと思うんです。何かに白黒はっきりつけられることってほとんどないですよね。それでも折り合いを付けて生きていく。他人との関係を築いていく。舞台がタイ・チェンマイってのが絶妙で、日常的でない日常の風景をうまく作り出していると思います。

しかし、タイ、言って見たいなぁ。

シネマトゥデイより
ストーリー:
さよ(伽奈)はタイ北部、チェンマイのゲストハウスで働く母(小林聡美)を訪ねる。4年前、祖母にさよを預けて旅立った母は小さなプールのある場所で、オーナーの菊子(もたいまさこ)や手伝いの市尾(加瀬亮)らと楽しそうに過ごしている。そこにはタイ人の少年(シッティチャイ・コンピラ)も同居しており……。

【スタッフ】
監督・脚本: 大森美香
原作: 桜沢エリカ
企画: 霞澤花子
エグゼクティブプロデューサー: 奥田誠治 / 石原正康
プロデューサー: 小室秀一 / 前川えんま / 木幡久美
ラインプロデューサー: 関友彦 / 大塚美里 / 武藤牧子
撮影: 谷峰登
照明: 斉藤徹
録音: 古谷正志
美術: 富田麻友美
スタイリスト: 堀越絹衣
ヘアメーク: 宮崎智子
フードスタイリスト: 飯島奈美
編集: 普嶋信一
音楽: 金子隆博

【キャスト】
小林聡美
加瀬亮
伽奈
もたいまさこ
シッティチャイ・コンピラ 他

公式サイト
プール@映画生活
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【映画】重力ピエロ

今更って気もしますが、重力ピエロを見て来ました。
ジャンルはサスペンス・・・ってかヒューマンドラマでしょう。

印象的なのは父(小日向文世)がガンを告白するシーンの「本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ」。この言葉とキャラクターが重苦しいであろうストーリーをどこか優しい空気に変えている気がします。一方で悪役・葛城 (渡部 篤郎)が表現する無邪気すぎるほどの罪悪感の欠如が対照的で、二人の”父”の有り様が端的に現れている気がしました。

結局のところ、「血は水よりも濃い」事実とそれを超える「最強の家族」愛の物語です。努力家(?)だが弟には敵わないと思っている兄・泉水(加瀬 亮)と、天才肌だが自分の存在を否定している(?)弟・春(岡田 将生)の兄弟に、連続放火事件と27年前の連続レイプ事件が重なって・・・、方法は違えども兄弟の行き着いた結論は同じ。それを知ってか知らずか、問いながら受け流す父。って、やっぱりファミリーもののヒューマンドラマじゃないですか。

いい味を出しているのが夏子さん(吉高 由里子)。意味深なシーンで現れては消え、物語の核心に迫るキーパーソン。起承転結の転を握るんだけど、かといって深くストーリーに絡まないあたりがナイスです。きっともっと絡んでたらお腹いっぱいな映画になっていたのではないかと思う次第。

とは言えね、最初に春が2階から飛んで来るところから始まって、最後も春が2階から飛んで来るところで終わる。結局そういうことなんですよね(って何が?)

シネマトゥデイより
ストーリー:遺伝子を研究する泉水(加瀬亮)と芸術的な才能を持つ春(岡田将生)は、一見すると仲の良さそうな普通の兄弟だ。そんな二人の住む街では、謎の連続放火事件が発生していた。泉水と春は事件に深く踏み込み、家族を巻き込みながら次第に家族の過去にも近づいていくのだが……。

【スタッフ】
監督: 森淳一
プロデューサー: 荒木美也子 / 守屋圭一郎
エグゼクティブプロデューサー: 豊島雅郎
原作: 伊坂幸太郎
企画・脚本: 相沢友子
音楽: 渡辺善太郎
撮影: 林淳一郎
主題歌: S.R.S

【キャスト】
加瀬亮
岡田将生
小日向文世
吉高由里子
岡田義徳
渡部篤郎
鈴木京香 他

公式サイト
重力ピエロ@映画生活
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